ウサギの体

ウサギの体雑学(歯)

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ウサギの歯の病気は?

【臼歯の不正咬合(ふせいこうごう)】

「臼歯」の不正咬合(歯の噛み合わせが異常な状態)は生まれつきのものもありますが、多くは食事内容が原因になっています。

◎ウサギは繊維質の多い食べ物を食べるため、「臼歯」は植物の繊維をすり潰す働きをし、この働きにより「臼歯(奥歯)」が適切に削られます。

◎ところが、簡単に嚙み砕けるもの、繊維質が少ないものは「切歯(前歯)」でかじっただけで飲み込めてしまい、よく噛まなくてもいい状態となり、「臼歯」本来の働きである「すり潰す」動きがしっかりとできません。

◎歯がまんべんなく削れないと「臼歯」が部分的にすり減っていきます。
すると、上顎側の臼歯(奥歯)は頬に向かって、下顎の臼歯は舌の向かって尖り、傷つけます。こうなると、口の中が痛いため、ますますよく噛まなくなり悪循環に陥っていきます。

◎その他には、老化によって「歯根(歯茎より下にある歯の根っこ部分)が緩んで噛み合わせが悪くなり、歯周ポケットから細菌感染し正常に歯が作られなくなることや、遺伝によるものもあります。

◎小型のウサギは根本的に顎が小さいものの、歯の大きさはあまり変わらないため先天的に歯並びが正常でない場合があります。しかし、小型種でなくても、先天的に顎が短い場合に歯並びの異常がみられることがあります。

◎カルシウム代謝異常によるケースも考えられます。ウサギが摂取するカルシウムとリンの比率が不適当だったり、ビタミンD欠乏が起こると、正常に作られず骨がもろくなり、顎の骨の外側にある組織が薄くなります。このことから、「歯根」が緩んだり、歯並びが異常を起こしたりします。

【切歯の不正咬合(ふせいこうごう)】

◎ウサギの正常な「切歯」は、正面から見たとき「上顎の切歯」が「下顎の切歯」に少しかぶさっている状態となっています。

◎しかし、何らかの理由で噛み合わせが悪くなり、不正咬合(歯の噛み合わせが異常な状態)起こすと、上下の歯がきちんと嚙み合わないために歯の長さが調節できなくなります。

◎そのため、歯は際限なく伸び続けます。「上顎の切歯」は内側に丸まるように、「下顎の切歯」は外側に向かって伸びていきます。
ひどくなると伸びた歯が、唇や頬などに刺さることさえあります。

<不正咬合(ふせいこうごう)主な症状>

「食欲がない」、「食べたそうなのに食べない」、「柔らかい物しか食べない」、「いったんくわえた物を落とす」、「あごの動かし方がおかしい」など食べ方に変化が起こります。

口の中の痛みや違和感などからか、「歯ぎしり」、「攻撃的になる」、「口を閉じない」といったことや「よだれの増加」が見られます。

「あごを触るとデコボコしている」、痛みがあるので「あごに触られるのを嫌がる」、「あごが腫れている」、「眼球が突出している(歯根が伸びたり、歯根膿瘍のため)」、「涙目になる(歯根が鼻涙管を圧迫するなどの痛みから)」、「白っぽい涙や鼻水が出る(鼻涙管が細菌感染を起こしている)」といった症状は、歯根が伸びることに起因しています。

<不正咬合(ふせいこうごう)の予防>
何よりも食事の管理が大切です。ペレットのみの食事では繊維の量が低く、噛む回数が少なくなります。牧草のように繊維質が豊富で噛む回数を多く必要とするものを十分に与えましょう。

ケージの金網をかじる癖をつけないようにしましょう。(※ただし、やめさせようとして、おやつを与えたりケージをかじったときケージから出したりしていると、ウサギは「金網をかじると良いことがある」と学習してしまいます。)
ストレスがあることで、金網をかじる習慣がつくこともこともあるので十分な遊びの時間を作ったり、かじって遊べるおもちゃを用意するものいいでしょう。

★【切歯の破損】

◎「切歯」は外部からの強い力かかると、折れてしまうことがあります。

◎原因はさまざまで、人が立ったままでウサギを抱いていて落としてしまったり、ウサギが高いところに登って転落した時、歯の質の弱いウサギがケージの金網をかじっている時などに起こります。

<切歯の破損の主な症状>

肉眼で歯が折れていることが確認でき、出血が見られます。

「食欲がない」、「食べたそうなのに食べない」、「柔らかい物しか食べない」、「いったんくわえた物を落とす」、「あごの動かし方がおかしい」など食べ方に変化が起こります。

よだれが多くなる、口元を気にしている様子が見られます。

【歯根膿瘍(しこんのうよう)】

◎「膿瘍(のうよう)」とは細菌感染が原因で患部か化膿し、膿が溜まって
「膿瘍」(はれもの)が出来た状態です。

◎「歯根膿瘍」は「上顎臼歯」の歯根部にある眼窩(がんか、眼球を納める骨のくぼみ)の下や、「下顎臼歯」の歯根部である下あごの下によく発症します。

◎「膿瘍」が歯根に形成される多くの原因は「臼歯」の不正咬合です。

<歯根膿瘍の主な症状>
鼻水やくしゃみ、呼吸異常(呼吸が苦しそう)、涙目、白い目ヤニの増加が見られます。

眼が突出することもあります。

下顎の歯根膿瘍の場合には、下あごに「コブ」のようなものが出来ます。

痛みがあるため、元気がなくなる、食欲がなくなる、うずくまってじっとしているなどの状態がみられます。

気になる症状があった場合は早めに動物病院に受診しましょう!
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あごすりブログ
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ウサギの飼い主
飼い主歴:38年 今まで4品種のウサギをお迎えしました 静岡県在中 1979年生まれ
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