ウサギ体雑学(泌尿器系)
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あごすりブログ
【湿性皮膚炎(しっせいひふえん)】
◎皮膚が湿っぽい状態となって、細菌感染を起こす病気です。
一般的に皮膚が湿っぽくなっても、すぐに乾けば問題は起こりにくいのですが、いつも湿っている、湿度が高く乾燥しにくい状態になっていると「湿性皮膚炎」が起こりやすくなります。
◎原因となる菌は、o(≧口≦)o黄色ブドウ菌や緑膿菌などです。
o(≧口≦)o なんとなく聞いたことのあるなまえなんだよなぁ~
・「ブドウ球菌」は菌の形がブドウの房状🍇に見えるからブドウ球菌って名前なんだって。
・ブドウ球菌は人や哺乳動物の皮膚や粘膜なんかに生息しているんだ。いろいろいるんだけど、この中で問題になっているのが黄色ブドウ球菌だよ。病原性が高くて、皮膚感染症の他にも、肺炎や、骨髄炎の原因になることもあるんだ。食品のなかでたくさん増えると、エンテロトキシンという毒を作って、摂取すると、下痢や激しい吐き気、嘔吐、腹痛なんかを引き起こす悪い奴なんだよ。
・「緑膿菌」は細菌で、地球環境の中に広く分布している常在菌なんだ。土や淡水、海水の中なんかにいるんだよ。人間や動物の消化管にも少しだけだけど存在している腸内細菌でもあるんだ。
・緑膿菌も免疫力が低下していると感染しやすくて、尿路感染や呼吸器の感染、創感染(ケガした部分からの感染)、敗血症などを引き起こすよ。
・緑膿菌に感染すると、色素によって被毛が緑色になることもあるんだって。
◎ケージ内の掃除が行き届いていない不衛生な環境や高温多湿な環境、ストレスの多い環境は湿性皮膚炎を起こしやすくなります。ストレスは免疫力を低下させ、細菌の増殖を助けます。
◎眼も病気による涙や目ヤニで目の周りが濡れたり、不正咬合によるよだれ、水や食餌などの食べこぼしなどで口の周りや肉垂部分が濡れると皮膚炎が発症しやすくなります。
◎尿や鼠径腺(そけいせん)の分泌液に下肢や陰部、肛門の毛が絡み、局所的に湿度が上がって皮膚炎を発症することがあります。
◎太りすぎていると肉垂が過度になったり、他の部位でも皮膚のたるみが多くなりその分皮膚のひだが増え湿っぽくなります。
◎毛づくろいがうまくできないことも皮膚の衛生面を保てない一因となります。
<主な症状>
◆皮膚が赤くなったり、潰瘍(かいよう、皮膚の深い部分までただれる)ができます。
◆患部の被毛が絡まる、脱毛、皮膚からの分泌物が見られるなど、かゆみがあることもあります。
<予防と対策>
▲飼育環境は換気を心がけ、衛生的に保つようにしましょう。
▲ケージ内の床は「すのこ」もしくは平床にして、牧草や乾草などの床材を十分に敷きます。
▲給水器を高い位置に設置すると、飲水時にこぼして胸の周りを濡らしてしまうので、ウサギが飲みやすい高さに設置しましょう。
▲肥満を改善し、バランスのとれた食生活を心がけましょう。
▲こまめなブラッシングを行うと、皮膚の血行を促し、皮膚の代謝をよくすることができます。
▲ウサギの毛は乾きにくいので、入浴やシャンプーは極力避け、毛を濡らしてしまった場合はきちんと乾燥するように心がけましょう。
不正咬合のため、目の周りや顎の下が湿性皮膚炎を発症し、脱毛しています。
【ソアホック】
◎足の裏の皮膚の表面、角質が増殖して厚くなった状態になったり、炎症を起こす病気です。足底皮膚炎、潰瘍性足底皮膚炎とも呼ばれています。
◎原因菌は、多くは「黄色ブドウ球菌」と「パスツレラ菌」です。
◎ウサギの足の裏には肉球がなく、厚い被毛が皮膚を保護しています。しかし、足の裏が圧迫され血行が悪くなると「ソアホック」になります。
◎ウサギの歩行時は指先に重心がかかりますが、じっとしている時には「かかと」に重心がかかってきます。ウサギがあまり動かない状態だと、「かかと」にかかる負担が大きくなってしまいます。
◎主に「後ろ足のかかと」に発症し、まれに前足の裏にも発症します。
◎脱毛、皮膚が炎症して赤くなり脱毛した所が硬くなります。皮膚の浅い部分がただれ、潰瘍の症状が進行していきます。
◎最初は痛みもなく無症状ですが、進行すると深部まで炎症がおよび足の裏が痛いために体重をかけないようにしていたり、足の裏を気にします。
動きがぎこちないなどの症状がみられ、痛みのために食欲や元気がなくなります。
<主な原因は?>
▣体重が重い(大型種や太りすぎ)
▣先天的に足の裏の被毛が薄い品種や遺伝的なもの(レッキスなどによく発症すると言われています。)
▣スタンピングを過剰に行っていたり、よく急な方向転換をしている。
▣老齢で肥満の場合や、体調が悪くて動けない場合
▣爪の伸びすぎ(丸まって伸びていく爪によってつま先が浮き、かかと近くの一部分に体重がかかる。)
▣不衛生な環境、ケージの床に排せつ物が放置されていて、常に湿っている。
▣不適切な床、金網などケージの床が硬すぎたり、粗い床、松や杉など刺激性のある床材である。
▣不適切な床の狭い狭いケージのなかで、いつもじっとしているような状態である。
・太らせすぎないようにし適切な時期に爪切りを行いましょう。
・適度な運動の機会を設けましょう。
・ケージの掃除はこまめに行い、衛生的な飼育環境を心がけ、足裏へのあたりの柔らかい床材を選びましょう。
【皮下膿瘍(ひかのうよう)】
◎「膿瘍(のうよう)」とは細菌感染によって、白い膿の塊が皮膚の下に発生する病気です。全身の様々な場所に発生する可能性があります。
◎外傷による細菌感染や原因がわからないこともあります。不正咬合によってあご部分に発生することもあります。
◎ウサギの膿はクリーム状で濃く、白いものが多く見られます。「細菌性皮膚炎」から「皮下膿瘍」に進行することもあります。
◎膿瘍の原因となる細菌には「黄色ブドウ球菌」、「パスツレラ菌」、「緑膿菌」などがあります。
◎免疫力が低下していたり、高齢になると発症しやすくなります。ウサギの膿瘍は一度治っても再発しやすいものですが、ブラッシングや健康チェックの時には膿瘍ができていないかも確認をしましょう。
<予防と対策は?>
▲外傷により細菌感染を起こさないように、ケージ内や部屋の中の安全を確認しケガを未然に防ぎましょう。
▲また、ケージ内などを清潔に保つことも大切です。
▲食生活を見直しましょう。不正咬合にならないように、繊維質の多い食事を心がけましょう。
※そのほかにも、ウサギの皮膚の病気には【皮膚菌糸症(皮膚に感染するカビによっておこる病気)】や【トレポネーマ症(ウサギ梅毒)】などがあります。